**No.8**

あたしは家に帰ってまっすぐ自分の部屋へ行った。

駿にメールを送った。

**駿、今日由梨達に医務室閉じ込められた。
 もうつらい。
 こんな事になってまだ少ししか経ってないけどこんなにつらい。
 どうしたらいいの?**

ベッドに入って返信が来るのを待った。

メールに書いたようにもうほんとに疲れ果てていた。

心が痛くてたまらない。

着メロがなった。

駿からだ。

**千紗、俺もずっと考えてたんだけど、俺達こやってメールしたり、学校で会っ
 たりすんのやめない?
 千紗がこんなんなるとか思ってなかったし。
 じゃ。**





は?

どうゆう意味?

学校で会わない?

メールしない?

どうして?

あたしがこんな風になったから?

急いで訳を聞こうと電話した。

「もしもし?ねぇ駿なんで?なんでそんな事ゆうの?」

「・・・」

「ねぇってば!!なんか言ってよ!!」

「・・・正直千紗がこんなんなるとは思ってなかったし、ゴタゴタに巻き込まれた

くないし。」

「だって駿どうにかしてくれるって言ったじゃん!」

「・・・・だからずっと考えてこうゆう結果出した。切るから。・・じゃ。」

プツッ

電話が切れた。

とうとう最後の友達までもがいなくなってしまった。

なぜか怒りはなかった。

ただ自分が一番信頼してた人に裏切られたのがとてもこたえた。

もうどうなってもいい、そんな気持ちにさえなった。





そんな事がもう数ヶ月前の話だ。

こんなことを考えているうちに学校についていた。

校門をくぐるとまた地獄の生活が始まる。

でももうあたしはいろんな仕打ちになれてきた。

シカトされてもあたしから喋らなければいいだけだ。

ただ黙って席に着いていれば何もされない。

リンチは今のところされてない。

多分出来ないだろう。

なぜかと言うとまだ仲が良かった時からリンチはあたしの仕事と決まっていたか

ら、あたしがこんな状況になってもいまだに怖いらしい。

さすが由梨だと思う。

あいつは黒幕と言えど自分は何もしない。

全部部下のやつらにさせていた。

校門の前であたしはずっとたちどまっていた。

教室に行きたくなかった。

しばらく考えてから、後ろを向くとダッシュで走った。

学校をサボった。

なぜか開放された気分になった。

嬉しくてたまらなかった。

前を見ずに開放感に浸っていると、突然何かにぶつかった。

どうやら人にぶつかったらしい。

「いっててて・・・ゴメン!大丈夫??」と言った。

その人は「・・・っ大丈夫。そっちの方こそ大丈夫じゃなさそうだけど・・・」と

言った。

その人はすっくと立つと「ほい。手かしちゃる。」そう言うとあたしを起こ

してくれた。

「ありがと。ホントごめんね、ぶつかっちゃって。」

その人は男だった。

見たところあたしと同い年くらいだけど・・・

「あれ?その制服・・・美崎瑛鳳中学校(みさきえいほうちゅうがっこう。千紗

が通っている中学校の名前。略して美鳳中)の人?」

「うん・・そうだけど。そっちはどこ中?」

「あ、俺?俺今日転校して来た。ちなみに名前は尾崎裕二(おざきゆう

じ)、中3。裕二って呼んでくれていいからw君と同じ美崎瑛鳳中に通う事に

なった。」

「へぇ~。同じ中学校かぁ。あ、あたしは花沢千紗。あたしも中3。よろし

く。」

「ラッキー!!同中に同級!!道に迷ってたんだよね。一緒いこ!!」

あたしは少し迷ったけど道に迷ったんなら助けないわけにもいかず「・・・う

ん。いこ。」と答えた。

久しぶりに同級生と話をしたらとても楽しかった。

学校に着いて裕二は職員室へ、あたしは教室へ向かった。

鐘が鳴りHRが始まった。

ガラッ

先生が入ってきて、一言めに「今日は転校生を紹介する。」と言った。

あたしはまさかと思った。

「どんな人だろ~?」「超カッコよかったりしてw」みんなもざわついた。

「おーい、入って来い。」と先生が言うと教室に入ってきたのは、そのまさ

かの裕二だった。

同じクラスになるとは思ってもみなかった。

「昨日引っ越してきました。尾崎裕二です。みんなヨロシク~w」

「尾崎ってカッコ良くねぇ?」「うっわ、あたしバリタイプ~vv」

とか言う会話が聞こえてきた。

さっきは気付かなかったけど、確かに裕二はかっこよかった。

「じゃぁ、尾崎はっと・・・・花沢の横に行け。」先生が言った。

なんとも偶然が重なった。 **続く**




























































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